7分 インドネシアの昔話
『おはなしのろうそく 愛蔵版4』『おはなしのろうそく8』
(再話:松井由紀子)
特徴
次から次へと、面白い名前とキャラの立った動物達が登場し、それだけでワクワクします。
カンチルのハツラツとした可愛いらしさも魅力です。
舞台がジャングル、という、インドネシアならではの、異国感も楽しいです。
あらすじ
ある日、マメジカのカンチルは、大きな穴に落ちて 出られなくなる。そこで一計を案じ、けたたましく鳴いて、他の動物達を呼び寄せ、上手いこと言いくるめて…
① 実際のマメジカを、上野動物園まで見に行きましたが、想像以上に小さかったです。ウサギくらいの大きさ。
その体の小ささが、カンチルのキャラクターや、話の展開の面白さを演出しているのと、“マメジカ”という言葉に戸惑わないよう、語る前に、“マメジカ”についての簡単な説明をしています。
② カンチルが、動物達をまんまと騙して、自分だけ助かるわけなのですが、その手口が、小さい子には 理解できないようです。
ですが、特徴、に書いたように、それでも十二分に楽しめるおはなしだと感じています。
因みに 我が子は、初めて聞いてから2年くらい経った、年中さんの時に、「これさ、カンチル、嘘ついてんだよね!みんなを騙してるんだよね!」と悟り、嬉しそうに叫んでいました。
そういう、楽しみ方もあるのだと思います。
同じ松井さんの再話で、絵本が出ています。
『まめじかカンチルの冒険』福音館
穴に落ちる話以外の、カンチルが主人公の4話を収録。
絶版ですが、『インドネシアのむかし話』偕成社に、「シカとサルの畑づくり」「かしこいシカと おろかなワニ」の2話が収録されています。
こちらでは、“マメジカ”ではなく“シカ”となっており、頭の中で、あの大きな“シカ”を思い描くと、ちょっと話の雰囲気が変わってしまいます。
昔話を読む事は、世界を旅する事と同意だと考えています。
インドネシアを、子どもと旅するには、最適なおはなしかと思います。(吉岡)
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