ものがたり を語る、というと、おばあちゃんが 囲炉裏端で、夜、こどもたち に向けて語る、”昔語り” を思い起こす方も 多いかもしれません。
それと、根本的に違う点は、わたしたちが、”本” の中の「活字」を丸暗記しているのに対し、昔語りの語り部たちは、先代の語り部の「語り」を丸暗記していることにあります。
言いかえれば、わたしたちは「活字」という視覚情報になった ものがたり を覚えて語るのに対し、語り部たちは、「語り」という聴覚情報を覚えてそのまま、語っているのです。
どう考えても、本来の語り部たちの語りの方が、おもしろそうです。
しかし、わたしたちの ほとんどが もう、親や祖父母に、昔話を語られて育っていません。
語ってもらっていたとして、それを耳で覚えている方は、稀有でしょう。
そのような社会状況の中、アメリカの児童図書館サービスの1つとして、”ストーリーテリング” が生まれました。
目的は、昔話という無形文化の保存、ではなくて、こどもたち を、良質な読書に導くための手法の1つ、であります。
現在 一般的に、”おはなし” (素話)といえば、この ”ストーリーテリング” を継承したものを指します。
わたしたちの活動も、そちらにあたるのですが‥
親や祖父母が、こどもら に昔話を語るその こころ と、現代の親が、こどもに 絵本を読み聞かせる こころ、そして、わたしたちの 活動の こころ は、どれも、根っこはおなじものだと、感じています。
(吉岡)
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